魅力あふれるお店を創るには、ソフト面とハード面の両面からのアプローチが必要ですが、このシリーズでは、ハード面からのアプローチに焦点を当てて解説していきます。
お店のブランドや雰囲気を反映し、お客様の満足度を最大限にするための非常に重要な要素が「デザイン・設計」です。
以下に、魅力あふれるお店のデザイン・設計に関するポイントを解説します。
■ブランドアイデンティティの体現
店舗のデザインは、そのブランドのアイデンティティやコアバリューを表現する手段です。
ロゴ、カラースキーム、フォントなどの要素をデザインに取り入れ、一貫性のある印象を与えることでブランド力が上がり、来店されたお客様の心に残るお店へとつながります。
■顧客の体験を重視
飲食店と物販店でポイントは異なりますが、お店の内外で顧客の体験を考慮したデザインを追求する必要があります。
「快適な待合スペース」「魅力的なディスプレイ」「スムーズな動線」「座り心地の良い家具な」ど、顧客がくつろぎながら食事や商品やサービスを楽しめる環境を提供することで、来店されたお客様の心に残るお店となり、リピーターとなってくれるお客様が増え、繁盛店になっていきます。
■照明と色彩
照明は店内の雰囲気を大きく左右します。照明器具の配置や個数、色合いなどで「商品を際立たせる」「居心地の良い空間になる」等空間演出ができ、印象的なお店になります。
色彩はブランドイメージをダイレクトに反映し、来店されたお客様の印象に残る大きな要素でもあります。イメージに合ったカラーパレットを選びましょう。
■空間の配置
ディスプレイ、商品陳列、家具の配置、店内構成、空間の仕切りや繋がりを考慮し、店員の動きや来店者がスムーズに動けるよう、流れるような動線を設計し、全体としてまとまりのある空間を創りましょう。
■素材の選択
素材は空間の質感や雰囲気を決定します。
来店者が直に触れる場所は「安全性」「防汚性」「感触」等と同時に「予算」「メンテナンス性」なども併せて考慮し、最適な素材を選定しましょう。
自然素材や高品質な素材を使用すれば、高級感や温かみの演出が可能になります。
これからの時代、持続可能性を考慮して、環境に配慮した素材を選ぶことも重要です。
■テーマやストーリーテリング
テーマやストーリーを取り入れることで、お店に深みと興味を与えることができます。
「特定の季節や地域の要素」「商品の背後にあるストーリー」「時代背景」「お店のコンセプト」等を伝えたりすることで、顧客との共感を生み出せます
■デジタル技術の活用
デジタルサイネージやインタラクティブなディスプレイを活用して、顧客とのエンゲージメントを高めることができます。
スマホやタブレットを誰もが使っている時代に合ったデジタル化も繁盛店創りのポイントですので、
QRコードを活用して商品情報を提供したり、SNS映えするスポットを設けたりすることも考えてみてください。
■サスティナビリティと環境配慮
サステナビリティを考慮したデザインやエネルギー効率の良い設計を取り入れることで、環境への配慮をアピールポイントにできます。
空調効率が良い事や節水節電対応機器の使用、再生可能エネルギーの利用や廃棄物削減策など、環境に優しいお店づくりを検討しましょう。
■柔軟性と変化への対応
将来的な変化に対応できる柔軟性を持ったデザインや空間構成を採用することが重要です。
展示スペースや商品陳列、家具の配置を変えることで、新たなアレンジメントやテーマに対応できるようにします。
飲食店では、厨房機器の入れ替えや増設、給排水のメンテナンスなども検討課題になります。
魅力あふれるお店創りにおいて「デザイン」「設計」は、ブランドの確立とブランド力の向上、知名度や宣伝力にも影響し、お店のファンを作り、リピーターを増やす重要な要素です。
ブランドのメッセージやコンセプトを忠実に反映させながら、心地よいお店を創りに取り組み、魅力あるお店創り、魅力ある街づくりに貢献できるのが「お店創り」なのです。
次回は「基本計画と基本設計」について解説したいと思います。ご期待ください。